福岡地方裁判所 昭和41年(ワ)1415号 判決
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〔編注〕…〔請求原因〕 一、事故の発生
訴外早川亮一は昭和四一年五月三一日正午頃訴外山田勝已の運転する株式会社西日本相互銀行所有の普通自動車トヨタパブリカに乗車して福岡県直方市方面から同県中間市方面に向かつて県道を進行中、直方市植木町平池堤防上において対向して来た被告吉屋利夫の運転する砕石運搬用トヨタ貨物自動車(以下「加害車」という。)に正面衝突し、右訴外人両名は即死した。
〔判決理由〕<証拠>を綜合すると、被告会社が加害者の使用名義を有し自己の砕石運搬のため使用していたことは明らかであるが、<証拠>を綜合すると、被告会社は貨物自動車一〇台余りを有して砕石運搬を行う他、小田興産(遠賀郡)、三栄建設運輸(北九州市八幡区折尾)とともに被告森にもその運搬をさせていたのであるが、同被告は肩書住所においてミツキ運送の名で貨物運送業を営み、貨物自動車五、六台を擁していたこと、ところで本件の加害車はダンプカーであつて、同被告がこれを福岡トヨタディーゼルから購入した際、同被告の営業車として増車の許可を受けねばならず、そのため日時も要することから被告会社の自家用として届けることに両被告相談のうえ、被告森が被告会社名義を借り受けることとし、使用者として被告会社、使用の本拠として被告会社の所在地を陸運事務所に届け出たこと、その結果同事務所としては自動車登録簿上は被告森の名が全然出ていないこと、そして加害車の車体にも被告会社の商号が表示されていること、しかし実際は加害車は被告森の車庫に格納され、運転手も同被告の使用人たる被告吉屋が日常運転していたこと、加害車の使用方法は同車の被告会社の砕石運搬量が他の二社と比べてやや多い程度で、被告会社と被告森との間に長期に亘る継続的な運送とか専属的に被告会社の運搬に従事すると明確に定められていたわけではなかつたけれども、昭和四一年三月から五月までの間加害車は殆ど連日被告会社の砕石を運搬し、特に被告会社の急用とかの際には電話一本で加害車が被告会社の運搬のために使用されていたこと、たまたま本件事故当時は加害車が被告会社の砕石運搬のために運行していなかつたに過ぎないことを認めることができる。……そうすると、被告会社は単に使用名義を貸与しただけに止らず、これを外部に表示し、しかも自己の業務のために継続的専属的ともいえる程使用していたのであるから、加害車の運行についてその支配や利益の帰属を失つていたということはできない。従つて、被告会社もまた運行供用者として本件事故による損害を賠償しなければならない。
(木本楢雄 富田郁郎 横田勝年)